2011年11月5日土曜日

【アニメ】ギルティクラウン_#4_浮動_flux

【第四話概要】
谷尋と友達になれたはずなのに…裏切られ――
集は葬儀社に関与した容疑でGHQに拘束された。
「俺は謝らないぜ、世界は不条理で不公平なんだ」
「集?」「よかった。行くから待ってて」
「待機だと命令したはずだ、どうしてお前が!」




皆が持つ重い思いの心を胸に、奪還作戦が始まる。



・集 GHQにより連行される
谷尋の密告によりホームに一人取り残された集は、GHQが一人嘘世(せがい、紫頭)に捕まる。
車両を緊急停止させてでも集の元へ駆け寄ろうとするいのり――
「ダメですいのりさん。ガイさんからの命令です」

集を助けたいと思ういのりの心が表されています。誰かの命令でなく、助けたいから行動したい。
第四話ではいのりと集の心境変化がテーマになっています。
しかし「ガイの命令」を聞いてしまい、いのりは動けず……時だけが進み、集――拘束。


・連行される集、車内
「騙された。僕はバカだった」ただひたすらその思いが強くなる集。

携帯でクロスワードを始める嘘世
勤務中に遊ぶなんて……ただの少佐ではない、規定に縛られず自分の意思を強く主張するタイプだと伝わってきます。ダリルとはまた違って賢く行動する敵です、多少の無駄があってもそれはそれで楽しめるような余裕が見られます。
平凡な少佐で終わらせず、個性を魅せる事で敵役としての厚みが出ています。
「少し狭いですが静かに考えられるよう部屋を用意しました。パズルが解けるまで好きなだけ居ていただいてけっこうですよ」
このセリフの後に、拘束着に包まれた荒ぶれた独房のカットが映し出され、集がひどいめに合うのでは…と予感させた所でOPへ。


・教室
集が逮捕された事で困惑するクラスメイト。現場を目撃した眼鏡と友達の颯太は落ち着きを持たない。
そして、その様子を外から覗き込むいのり。

言葉にはなっていませんが、きっといのりは「あのとき私が助けていれば、成功するかわからないけど、助けられる可能性だけはあった……でもガイの命令が…」そんな後悔の色が伺える演出でした。自分の意思とガイの命令、どっちを取るべきだったのかクラスメイトの様子を見て天秤の揺れが大きくなっています。
このように本人の口から直接語られず、周囲を見るいのりの様子から伝わる心境演出は感慨深いですね。
軽い気持ちでなくずっしりとした確かな気持ちに感じます。


・嘘世(紫頭)は集を取り調べ、局長と対談
嘘世は取り調べを通して集と葬儀社との距離、関連性を観る。集の何気ない言動から的確に情報を得、嘘世は1つ作戦を閃く。
吊し上げを好み、未完成のパズルを嫌う嘘世。常に半狂しているような危なさの裏に、冷静に物事を見て、事を運べる賢さが演出されています。冷静にキレるタイプでしょうか。
谷尋からの密告をカードに、集の気持ちを揺さぶり表面上の言葉だけでなく、本心を引き出しています。
局長(上司)へ、集の事を「桜満博士の息子」 と表現していた所は気になりますね。


・葬儀社声明発表
ガイ「明日葬儀社は、GHQ第四隔離施設を襲撃する。抵抗は無駄だ。我々は必ず同士を救い出す」
葬儀社がGHQに対しわざわざ犯行予告を出す。GHQに対して圧倒的な戦力を持っている事を国民に示しています。
 

・嘘世、集へ洗脳開始
集は手錠を外され、嘘世と共に警備の無いジープで輸送される。
「非常警戒中でして。塔の地下にいる、ある囚人の警戒を強化しなければならなくなりまして」

来るときは厳重であった警備から一転し、運転手と嘘世だけの車内。嘘世の口から内輪の情報が語られる。
この時既に嘘世の作戦は始まっています。集からの信頼を得るために、まず自分自身の秘密を話始める。


とある病院へ 洗脳終盤
「はっ、谷尋!? あの寝てる子は?」
「谷尋君の弟です」「あれがステージ4まで進行したアポカリプス患者」「彼はどうしてもお金が必要だったのです」
「ゆずりはいのりさん。有名なウェブアーティストらしいですね。彼女も同じくつつがみガイに騙されているのでしょうか。もし君が拒むなら、次は彼女に頼まなければならなくなります」

谷尋裏切りの理由が明らかに。弟を助けるためのお金が必要だった……そのためになら友達だって金に換える。
谷尋の思いを知り安堵する集。そこへ嘘世は正当性を軸に葬儀社のアジトを割ろうと働きかける。いのりの安全を取引に出され、矛盾だらけの取引を受けてしまう。
葬儀社が捕まってしまえば、アジトを密告してもどのみちいのりは危険である事に変わらないのに――集は気づけない。
あからさまにお涙ちょうだいしている嘘世、それに心のペースを乱される集。主人公が悪い道?に走ってしまうシーンは主人公への思い入れが強い程、心苦しいものですね。


・廃工場
廃工場で例の動画を見ながら、独り歌ういのり
「ねぇヒューネル、どうして私寒いの? 集なら……知ってる?」
いのりは思いの由を模索する。なぜ寒いのか、その理由は集ならわかるのか。

ふと物を考える時にさえ、無意識に集が出てきています。いのりの心を占める集の割合はもはや無視できない大きさに。
前回「友達って必要なもの?」と言っていた無感情ないのりから、変化。あの演出はこのカットへの繋ぎだったのですね、脚本さんの魅力を感じます。だんだんといのりの感情に色が付いてきます。恋する女の子。


・集に弁護人が付く
葬儀社への関与も未確定。登録民である集には人権があり、弁護人が付くことに
そしてこの弁護人、もちろん仕掛け人である。
仲間が変装して来るのかなと思っていましたが、まさか中心人物であるガイが適地の中心に来るとは。
ガイがこんな大胆な行動から、救出作戦成功の自信と、仲間への信頼が感じられます。


・作戦開始
GHQ「システムは何者かのハッキング行為によってダウンしました」
ガイ「作戦を開始する」
ツグミちゃんが出てきて安心しました。

 

・困惑
嘘世の言う事にも正義があり、対局の立ち位置にあるガイにもまた正義があった。
作戦だけが進行し、どちらに付くべきか判断付かない集へ――音声通信が入る

いのり「集」「良かった。行くから待ってて」
ガイ「待機だと命令したはずだ。どうしてお前が!」

ここで初めて、いのりはガイの命令を無視して集のために動く。電車の時のように見ているだけは嫌……なのでしょう。
いのりの天秤は集への思いへ傾きます。

いのりの思いを知り、集も――動き出す。


・綾瀬と集
綾瀬「あなた、いのりに何したの」
集「何って」
綾瀬「じゃなきゃいのりがガイの命令に逆らうわけないじゃないの。おかげで作戦がめちゃめちゃよ。ガイになにかあったら絶対に許さないからね」

二話以来でしょうか、さりげなくガイへの忠誠アピールを忘れない綾瀬。いや、アピールではなくきっとこれが彼女の素なんでしょう。言動の根底にガイがある事を見せています、綾瀬回への導線でしょうか。

・窮地
接見室を出た集に綾瀬が付くが、GHQ側の圧倒的な戦力により包囲されてしまう。そこへガイの計らいにより木戸が合流。

木戸とは?
∟スカイタワー爆破事件?の中心人物。今回の救出作戦で助けられるのは集、そしてこの男。
集はガイに、彼のボイドを取り出すよう言われを受ける


木戸のボイド
彼から取り出したボイドは銃の形状をしていた。
木戸のボイドお披露目用に取り出してすぐに敵に襲いかかれ、その威力を発揮。意味も分からず撃ってみると、敵は宙に浮いた…そう、それは重力を操作するボイドであった。
しかしここでも追い込まれてしまう。多人数に圧倒するに小銃というのはボイドをもってもあまりにハンデが大きかった。


・いのり 始動
待機を命じられていたいのりは独房目指して単独で侵入を開始する。
仲間からの制止を振り切るために通信を切っているとツグミのセリフにある。吹き抜けのビルから落下する形で集と合流
細いレールの上を走り、先回りされたGHQ部隊を翻弄するシーンがあります。赤い装束を身にまとうといのりの身体能力が大幅に向上する…? ここで人間離れしたジャンプ力を見せてくれました。



・集 無双
まるで示し合わせていたかのように落下するいのりを、重力を操るボイドを駆使し救出する。
噴水の水の重力を操作し、それを足場にいのりを救出
集「ねぇいのり。君を信じていいかな」
いのり「うんっ」
いのりから剣のボイドを取り出し、ここからずっと集のターン!
良く見るといのりのボイド使用中は集の目の色が朱色になっています。(記事一番上の画像)



・葬儀社加入
ガイ「お前はどうする、来るのか、それとも戻るか」
「決められないなら俺を信じろ」
「全てを俺に預け、ただ、俺に従え」
集「わかった。僕も一緒にいくよ」
自己判断を超える情報量を持ってしまい、何が正しいのか困惑する集へ適切な言葉。選択肢を与える事で「加入する」か「独房に戻る」か、集が出来る行動が2つに絞られています。さりげなく相手をコントロールする術を持っているリーダーとしての賢さも演出されています。



【考察】
弁護人として「いのり」でなく「ガイ」が来ていた理由を脚本演出視点で考える。
まず今回の流れを確認しましょう。


1.集はガイと会う
弁護人登場の時点で、集は嘘世によってGHQ側に付くように洗脳済みであった。ここでいのりがスラっと登場しても集の心は動かなかったと思います。
接見室でガイと会い、半分恨みのような思いをぶつけます。
リーダーであるガイとの接触があったがために日常は崩され、独房行きになったのですからね。血が上っているからでしょうか、いのりと仲良くなれたメリットは忘れてしまいます。
2.集のためにいのりが動く
1に続き感情が高ぶった所で、暴走とも言えるいのりの単独侵入を集は知る。「自分のために、絶対であったリーダーの命令を無視して来てくれるいのり」「彼女だけは失いたくない」。その思いが集を動かしました。(GHQでなく葬儀社に付く決心)

つまり
ガイから与えられた待機命令を無視してまでいのりは動いた。ガイの命令よりも大切な「集を助けたいいのりの気持ち」を演出するために弁護人としてガイが来ることは必然であったと思われます。電車で助けられなかった所、教室、廃工場といのりの心の様子が演出されていました。

仮にいのりが弁護人として来ていたら、集はそこから逃げだそうとしたのでしょうか。GHQ側に付いていたのでしょうか……いのりに涙ながらに?説得される集の構図も見てみたいですね。



【感想】
ギルクラ第四話いかがでしたでしょうか。
今回はいのりと集の、気持ちと行動が変化しました。
いのりは「ガイの命令」と「集を助けたい気持ち」に優越をつけ、集は「GHQ」と「葬儀社」のどちらに付くのか決断しました。
GHQもこれまたそれっぽい理屈を嘘世が言うので説得力がありますよね、「自分を信じろという人間に気をつけなさい」とかいかにも相手側が嘘を言っていると思わせるセリフでした。

よく正義の反対は悪でなく、また別の正義だと言いますが、ギルクラはどうでしょうか。GHQとしてはワクチンを定期的に接種しウィルス感染を防ぎたいのに対し、葬儀社はその秩序を壊すような行動。GHQの方が正しい事をしているのでは? と思いますよね。反乱分子を抱える程の悪事をいったいどれだけGHQは行っているのでしょうか、気になります。

今回はおっぱいシーンが無かった……。第五話は綾瀬回のようです。
大ジャンプをするいのりのgifを作ったのですが、アップすると投稿エラーになるのでまたの機会に!

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