2011年10月26日水曜日

【アニメ】たまゆら_#4_潮待ち島に聞こえる音、なので

【第四話概要】
夏休みを迎えやりたい事を語り合ういつもの四人。
一同は麻音の実家である旅館「のれん亭」に遊びに行くことに。
広島県の離れ島が一つ、大崎下島(観光ページへ)の呉市豊町御手洗(みたらい)で過ごす夏休みの1ページ。
ファインダー越しにふぅの目へ写る風景――。




・帰り道

かお「やったー夏休み!」
のりえ「毎日スィーツ作りまくるぞ! んでもってープール行ったり海行ったり~。こうたんにスリスリしたり」
  第四話物語の起こりですね。四人が夏休みにやりたい事を語り合う。高校生の夏休みにやりたいこと、普段できないからこそ、やりたい事。将来へと繋がる時間の一つなんだなと会話から感じます。
  神社への階段下からあおりにて映し出される、青々強い夏の晴れ空。タイトルコール、そしてOPへ。

・麻音出発
麻音「おばさん、おはようございます」
「おはよう。御手洗のご両親によろしくね」
  麻音が一人暮らしをしているという事実が明らかに。きちんとガスと水道の元栓を閉める麻音、しっかりと片付いた部屋から自立できているしっかり者の様子が伺える。

・ふぅ家 旅行許可を母に相談

「いんじゃない? お邪魔にならないんだったら」
「おじいちゃんにも久しぶりに会えるし」
「こうちゃんも一緒にどうぞって。御手洗にはどれくらいぶりかなぁ」「おじいちゃんってお父さんとちょっと似てるよね」
  お皿洗いを手伝いつつ、御手洗への旅行許可を母に求めるふぅ。おじいちゃんが旅行先の島に住んでいる事が明らかに。

・御手洗へ

竹原港 -> フェリー -> 大崎下島大長港 -> 徒歩
  アニメでは直接御手洗港へは行かず、大長(おおちょう)港から歩くことに。本アニメでは徒歩での移動中、街並みをじっくりと見ることができます。この町は江戸時代からの建物がそのままの形で数多く残っていて、重要伝統的建造物群保存地区に選ばれているそうです。

・潮待ち島とは?
  タイトルにもある潮待ち島。瀬戸内海は潮の流れが一日に2回変わるそうです。その昔、帆船技術の確立までは潮の流れに沿って人々は船を進めていました。行き先に合う潮の流れに変わるまで、港に船を止めて待つ島。それが潮待ち島と呼ばれる由縁だそうです。

・のどか亭(麻音の実家:旅館)
歴史を感じる伝統的な家の造り。入り口側の全体がわかる構図でスタート。
  比較的新しいcafeたまゆらとはまた違った家の造りを感じます。旅行者4人を迎えるは麻音父母、そして
どたどたと階段を下り、ほうき片手に麻音が登場。
  家(旅館)のお手伝いをきちんとしている。やっぱり家業を継ぐのかな。そんな印象を強く受けました。
  早とちりで泣き上戸の麻音父と、お客さんへの余裕と笑顔溢れる迎え入れをする麻音母が演出されています。
やたらと居間への進入を拒む麻音、その秘密は終盤で明らかに。

・街並み探索

母の許しを得て麻音は旅館の手伝いを中断し、旅行者である友達3人+ふぅ弟を案内する事に。
ここ大崎下島にあるたくさんを紹介してくれます。
天満神社
麻音「願い事を唱えながらこの下をくぐると叶うと言われているの」
のりえ「ほぉぁあ~」「休み中、こうたんと毎日会えますように」「あとっ、かおたんが立派な魔法少女にぃ~」
かお「こら~~~」
  本殿の下が構造上くぐれるようになっている可能門が紹介されました。
乙女座(劇場)
麻音「あの上に立つと、たくさんの人の心を一つにするような魔法が使える。もしかしたら私にもできるかもしれないって。そんな気がしたの」
  1937年より形を残す劇場乙女座。第四話後半では麻音に感動を与え、夢へと繋げてくれた様子が描かれています。挿入歌にユーミンの「やさしさにつつまれたら」が使われており、柔らかい曲調に乗せて懐かしさとやさしさの気持ちをくれました。
  乙女座を前に麻音が何やら遠くを見るような目を見せます。後に麻音の夢を話すシーンで乙女座での出来事が語られる演出がありました。
  2002年に改修工事が行われ復元されたそうです。和風の街並みに混ざるように洋館が点在しているそうで、このアンバランスさが当時の海外文化の流入を感じさせます。
時計屋(新光時計店、旧名松浦時計店)
  日本で最も古いと言われる時計屋。本作で描かれるモニュメントは実際の物と同じ形だそうです。修理作業に力を入れ「眠っている時計を起こしてあげませんか?」をキャッチフレーズに、時代を超えて世界中の時計に命を吹き込む。家1つと引き替えに手に入れたアンソニアという会社の時計が店内には飾られているらしいです。
  本作ではこのお店の前でふぅのおじいちゃんと再開。おじいちゃんは修理を依頼していた時計を取りに来たのでした。
のりえ「あたしのスィーツも、世界に発信できるっていう可能性があるっつーことですかっ?」

・刺客

こうちゃんを独占するのりえの前に宿敵山田こまちが現れる
  「おじいちゃん」「煽られ」の二つの勘違いをしていまうのりえが描かれます。人前で顔作りを変えようとするがゆえに――。
  どこのファミレスでこまちの声を聞いたんだっけな、と思っていたのですが「WORKINGワグナリア」でした!

・お茶会
ふぅのおじいちゃんの誘いを受けお茶へ、のどか亭を探す旅行者を案内する麻音、一同は旅館へもどり麻音の様子を見守る
  第四話で紹介されるご当地スィーツは「レモン羊羹(ようかん)」。鼻腔をつんと突くレモンの香りとようかんの甘さに酸味をあたえるレモンの味。紹介してくれるのはおじいちゃん、感想を述べるはのりえ。お笑いスィーツキャラとしての地位が固まってきました。

  旅館では力不足が表に出ているが、一生懸命にお客さんをもてなす麻音の姿が見られます。
おじいちゃん「ふぅは手を出すな! これは仲居である麻音の仕事。客をもてなす心を持たぬ者が手出しをして良いはずがあろうか、否、あらん」
*セリフはイメージです。

・家族
島特有の海鮮料理を食べ終え、居間で麻音の両親との団らんを過ごす一同。
のりえ「あのっ、お父さん。改まってお話がっ」ジャンピング正座
麻音父「申し訳ないがまだ麻音を嫁にやるわけにはっ!」泣
事ある毎に語られてきた疑問「麻音は旅館を継ぐのか、自分の夢を追うのか」。のりえは麻音父へ向けて行動を起こす。
  劇場乙女座で見た魔法、将来への思いを麻音が語る。
麻音父「麻音は好きな道に進んだらええとわしらも思ってるよ」
  この言葉が軽はずみな一言にならないよう、ここまで麻音の夢について慎重に事が運ばれてきました。父としての観点で見てきた麻音の夢への思いが父から語られる。

ふぅ(お父さんってこんな優しい顔で子供を見るんだな、ふわふわした夢も包み込むように)
ふぅ(私のお父さんもこんな目をして、私の事を見守ってくれていたのかな)
  麻音を囲む家族へカメラを向け、シャッターを切る。ファインダー越しの風景に、もしお父さんが生きていたら……言葉にしても口にはしないふぅの強さ。数年前のふぅであったらもっと後ろ向きにこの風景を捉え、この場に居る事を苦痛としていたのかもしれません。

ふぅの深く複雑な思いとは裏腹、無邪気に時を楽しむふぅの弟。
  このシーンのために弟君が同伴する事になったのではと思いました。

もし、ちひろがここに居たらどんな行動を示すのだろう。というわけで、次回ちひろちゃんが竹原の街へやってきます!


【考察・感想】
  広島紹介アニメとしての一面が表に強くでるたまゆら。今回は麻音の生まれ育ったふるさとを知る。そういう体で大崎下島が紹介されました。
  第四話まで見ていて気づいたのですが、たまゆらはキャラ同士の会話によって雰囲気が表現されていますね。他の物語ももちろんそうなのですが短い会話の掛け合いというのですか。ガールズトークとこれを呼ぶのかもしれません、単語数でなくセリフ数がとても多いです。

スィーツを通して味覚を伝えるのりえ、嗅覚を伝えるかお、写真を通して心を伝えるふぅ。
キャラの輪郭が見えてきました。

  広島情報番組としての情報を五感を媒体に表現されています。
  正直な所、宣伝色を持つアニメは個人的には苦手でした。たまゆらもOVAより一層宣伝色が濃くなりもう視聴を切ろうと思ってました。でも今回第四話を見て「町が人々へ影響を与え、人々がキャラを育て、今へ繋げてくれる」そういう新しい見方を持てました。ルーツを把握すればキャラの言動根拠をより理解できる。つまり、キャラの持つ内面、背景を知る(設定作る)事でより効率的にキャラを見る(魅せる)事が出来る。
  そんな収穫がありうれしいです。
  口にする一言はもちろん、指を1ミリ動かす事にだって理由がある。それを少しずつ見せる事でキャラが立っていくのですね。

  お気づきの方も多いかと思いますが今回はシーンよりも場所単位で区切ってレビューしてみました。
  結果、麻音を育てた町である御手洗を深く知る事が出来ました。
  アニメに登場した店名も把握できたので、聖地巡礼としていつか広島へ自転車旅行に行きたいですね。


【忙しい人のためのたまゆら第四話まとめ】

  夏休みになり麻音の実家である旅館にお邪魔する事になった一同。そう第四話は麻音回です。
  広島が一つ大崎下島の御手洗を見ることが出来ます。
  「口笛士?としての将来」、「旅館を継がなければ」二つの思いが麻音の心に同居する。
  のりえの手引きによって、麻音父の口から紡がれる、父としての言葉。
麻音父「麻音は好きな道に進んだらええとわしらも思ってるよ」
麻音母「みんな心配してくれてありがとう。麻音はほんとに良いお友達を持ってるね」
  温かい家族風景をファインダー越しに見るふぅ。心なしかセリフが少ない……。
ふぅ(お父さんってこんな優しい顔で子供を見るんだな、ふわふわした夢も包み込むように)
ふぅ(私のお父さんもこんな目をして、私の事を見守ってくれていたのかな)
  少し落ち込んでしまったような、そんな感じがしました。次回登場するちひろちゃんの活躍に期待。

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